仕事がつらい。薬剤師にならなきゃよかった!
薬剤師を辞めたいけど、今までの学費や努力を考えると迷う…。
この記事はそんな人のために書きました。
薬剤師の資格を取ったものの、薬剤師の仕事がつらいと感じている人もいるでしょう。今までのキャリアを考えると、そう簡単に薬剤師を辞められないのが現実です。
私は大学を卒業後にドラッグストア薬剤師として働いていましたが、適応障害になり休職しました。転職後は薬剤師の仕事を辞めて、広告代理店でメディカルライターとして働いています。
今回は「薬剤師にならなきゃよかった」と感じる原因と、そんな人がとるべき対策を解説します。自分のキャリアに悩んでいる薬剤師さんはぜひ最後までお読みください。
まずは「薬剤師にならなきゃよかった」と思う理由を掘り下げよう
「薬剤師にならなきゃよかった」と思うときにまずやることは、そう思う理由を掘り下げることです。
薬剤師の仕事を続けるにしても他の仕事をするにしても、悩みの原因をしっかり分析しなければ解決には進めません。理由があいまいなまま他の仕事に転職しても、悩みが根本的に解決するとは限りませんよね。
たとえば職場で上司に「あなたは薬剤師に向いていない」と言われて、「薬剤師なんてならなきゃよかった」と思っている場合、問題はあなたの適性ではなく上司の態度かもしれません。他の職場であれば問題なく働ける可能性があるのに、上司の態度が原因で薬剤師を辞めてしまうのはもったいないでしょう。
「薬剤師にならなきゃよかった」という気持ちから一歩踏み込んで、これからのキャリアを考えましょう。
「薬剤師にならなきゃよかった」と感じてしまう理由5つ
「薬剤師にならなきゃよかった」と感じてしまう大きな原因は、次の5つです。
- 職場の人間関係がつらい
- 仕事が自分に合わない
- 年収が上がらない
- 薬以外のことに興味がある
- ワークライフバランスを保てない
それぞれ解説していきます。
職場の人間関係がつらい
薬剤師が働く職場には、人間関係が狭く女性が多いという傾向があります。職場の中で折り合いが悪いとパフォーマンスも落ちますし、快適に働くのは難しいでしょう。
今働いている職場と特別に相性が悪い場合は、別な場所で働くだけでも解決するかもしれません。しかしもともと女性の職場や狭い人間関係が苦手な場合、調剤で働く限り職場の人間関係をつらいと感じてしまう可能性もあります。
自分がストレスなく働くには、どんな人間関係が理想か考えてみましょう。私は薬局の狭い人間関係が苦手だったので、いろいろな分野の人と関われる広告代理店に転職しました。
また、もし今職場に行くのが本当につらいなら、一度休職するという手もあります。私も一度適応障害で休職しましたが、その後無事に転職できました。
仕事が自分に合わない
薬剤師の仕事そのものがあっていない場合もあります。薬剤師の仕事は几帳面にルーチンワークをこなす能力が求められ、逆に自分でアイディアを出すクリエイティブな要素は多くありません。
私も調剤で働いていたころに仕事が自分に合わないと感じており、人間関係に問題がなくても働くことが苦痛でした。毎日同じような仕事を繰り返すのが苦痛だったのです。
自分の適性や強みに悩んだら自己分析をするのがおすすめ。ツールはいろいろありますが、私はミイダス
仕事の適性だけでなくマネジメントやストレス耐性も客観的にわかるので、自分の適性に悩んでいる人はミイダス
年収が上がらない
薬剤師の年収はベースが高いものの、上がり幅が少ないという欠点があります。
薬剤師は人の健康に貢献する仕事ですが国の医療費は抑えられる傾向にあり、薬剤師一人あたりが生産できる経済的な利益には限りがあるからです。私の友人は入社後に「ボーナスは出ない」と言われたそうです…。
薬剤師のまま年収を上げたければ人手不足の地域で働くか、管理薬剤師などキャリアアップを目指すしかありません。
薬以外のことに興味がある
安定して働けるからという理由で、親や学校の先生にすすめられて薬剤師になった人も多いのではないでしょうか?しかし大人になってから他のことに興味を持つ人もいるかもしれません。
私も高校生のころは文系科目が好きだったのですが、家族の強いすすめで薬学部に入学しました。社会人になってからも興味は変わらず、結果的にライターという道を進むことになりました。
薬剤師だからといって、ずっと薬や医療に興味を持ち続けるとは限りません。他のことに興味が出てきたとき、他の仕事をしたいのに薬剤師の仕事を続けるのは苦痛に感じるでしょう。
ワークライフバランスを保てない
薬剤師として働いていて、ワークライフバランスが保てないという人もいるでしょう。
薬剤師の仕事は長時間立ちっぱなしで、ときにはクレーマーの対応にあたることもあります。店舗によっては激務で残業続きの生活を送っている人もいるかもしれません。
調剤は店舗に行かなければできないので、在宅で働けないのもワークライフバランスが保てない理由の一つです。
パートでも時給が高いことから「薬剤師は主婦でも働きやすい仕事」という意見もありますが、家事や育児と両立したい人にとって薬剤師は決して楽な仕事とは限りません。
【辞めてわかった】薬剤師にはメリットもある
「薬剤師にならなきゃよかった」と思っているなら薬剤師を辞めて他の仕事を選ぶ方法もありますが、薬剤師の仕事にはメリットもあります。
薬剤師の仕事を辞めるとこれらのメリットを手放すことになりますので注意しましょう。
- 調剤のスキルは全国どこでも使える
- パート・派遣でも稼げる
- ブランクがあっても働ける
それぞれ解説していきます。
調剤のスキルは全国どこでも使える
薬局や病院、ドラッグストアは全国にあるので、薬剤師は調剤のスキルさえあれば場所を問わずに働けます。これは薬剤師ならではの強みです。
薬剤師を辞めて企業で働こうとすると、求人は東京や大阪に集中しています。地方において薬剤師以外の仕事は少ないので、薬剤師を辞めるとしたら働ける場所は限られるでしょう。
配偶者の転勤など家庭の事情で引っ越しが起こる場合、調剤のスキルは非常に重宝します。
パート・派遣でも稼げる
薬剤師の働き方は正社員だけではありません。薬剤師ならパートや派遣でも高時給で働けます。
たとえば薬剤師の転職サイトにはパート、派遣求人も豊富にありますし、特にファル・メイトには単発で働ける案件もあります。柔軟な働き方ができるのも薬剤師の強みです。
ブランクがあっても働ける
薬剤師の6割は女性であり、結婚や出産を機に退職する人もいます。ブランクがあっても再就職しやすい点も、薬剤師のメリットと言えるでしょう。
一般的に調剤の経験を3年積んだ薬剤師は経験者として認められるので、私は辞めてから「薬剤師として3年働いておけば保険になったかも…」と思いました。
他の仕事をする前に調剤のキャリアを積んでおき、いざとなったら薬剤師の仕事に戻るという手もあります。
「薬剤師にならなきゃよかった」と思ったときの選択肢5つ
「薬剤師にならなきゃよかった」と思ったときに、これからの行動について選択肢は5つあります。
- 割り切って今の職場で薬剤師として働く
- 他の職場で薬剤師として働く
- 企業に転職する
- 副業から薬剤師卒業を目指す
- 一度薬剤師の仕事を辞めてみる
私は「企業に転職する」を選び、メディカルライターに転職したことで薬剤師の仕事を卒業しました。
割り切って今の職場で薬剤師として働く
薬剤師以外の仕事を始めるには、今まで勉強してきたことやキャリアを捨ててリスクを取る必要があります。他の仕事を始めるとしたら、調剤ほど資格のアドバンテージを活かせません。薬剤師の仕事にもメリットはあるので、「薬剤師になってしまったものはしかたない」と割り切って働く道も残っています。
薬剤師を辞めて何の仕事をすべきか定まらないうちは、「とりあえず」でも今の仕事を続けるとよいでしょう。しかし、続けていてメンタルを壊してしまいそうであれば無理は禁物です。
他の職場で薬剤師として働く
「薬剤師にならなきゃよかった」という思いがもし人間関係によるものであれば、職場を変えると問題を解決できるかもしれません。転職に限らず、異動や上司への相談も検討しましょう。
もし転職するのであれば、薬剤師向けの転職サイトを利用しましょう。職場の人間関係を教えてくれる場合もあるので、転職先で同じようなトラブルを防げます。
正社員の求人を探すならマイナビ薬剤師に登録しておくとよいでしょう。求人数が多く、全国の求人を取り扱っているからです。選択肢が多い方が自分にあった求人を探しやすいでしょう。
また、正社員として働き続けるのが厳しいと感じているのであればパートや派遣で働く方法もあります。正社員より年収は減りますが、負担を減らして今よりも無理なく働けます。
パート・アルバイト求人を探すならファルマスタッフ、派遣薬剤師の求人を探すならファル・メイトがおすすめです。どちらも実際に使ってみましたが、こちらの要望をじっくり聞いてニーズに合った求人を探してくれました。
企業に転職する
調剤が合わないと感じているなら、企業で働くという方法もあります。仕事によっては調剤より年収アップを目指せますし、キャリアの幅も広がります。
調剤の仕事に転職するより難易度は上がりますが、調剤にはないやりがいもあります。私はメディカルライターとして働いていますが、企業に転職してよかったと感じています。興味があるならチャレンジしましょう。
副業から薬剤師卒業を目指す
今すぐに他の仕事をする勇気がなければ、仕事を続けながら副業を始めるという方法もあります。転職は誰でもできるわけではありませんが、副業はパソコンさえあればどんな薬剤師でも始められます。副業がうまくいけば、薬剤師の仕事を辞めて他の仕事で独立も可能です。
薬剤師の副業には、知識や経験が生かせるライターやブログがおすすめです。
ブログについて知りたい方はこちら。
ライターについて知りたい方はこちらを参考にしてください。
一度薬剤師の仕事を辞めてみる
ある程度貯金があるなら、一度薬剤師の仕事を辞めてゆっくり考える時間をつくってもいいでしょう。
今の仕事を辞めても資格は残ります。仕事と距離をおいて自分と向き合うことで、キャリアを考え直せます。休んで気持ちを回復してから、「もう一度薬剤師としてがんばろう」という気持ちになるかもしれません。
まとめ
今回は「薬剤師にならなきゃよかった」と思っている人に向けて、原因と対策を紹介しました。
我慢して薬剤師を続けるほかにも道はたくさんあります。転職活動も副業も、「とりあえず始めてみてからどうするか決める」「違うなと思ったら途中で辞める」ということができる選択です。
迷ったら興味があることから挑戦してみましょう。