薬局の人間関係がしんどい!転職しようかな…。
人間関係を理由に転職したらダメかな?早く辞めたい!
この記事はそんな人のために書きました。私は新卒でドラッグストアに就職しましたが、2年目に職場の人間関係が原因で休職しました。その後転職活動に成功して今は楽しく働いています。
人間関係を理由に転職する薬剤師は多くいますが、何も考えず転職しても同じ問題に悩まされるかもしれません。自分に合った環境に出会うまで転職を繰り返すのは大変ですし、キャリアの上でも得策とはいえませんよね。
今回は職場の人間関係がしんどいと思っている薬剤師さんに向けて、悩みやすい原因や解決策について解説します。今悩んでいる方はぜひ最後までお読みください。
薬剤師が人間関係に悩む原因5つ
薬剤師が人間関係に悩む原因として、次の5つが挙げられます。
- 閉鎖的な職場環境が多い
- 職場にお局さん、変な人がいる
- モンスターペイシェントがいる
- 業務が忙しく、スタッフに余裕がない
- 視野が狭くなりがち
薬剤師以外の仕事にも人間関係の悩みはつきものですが、薬剤師独特の原因もあります。私や友人の経験をもとに紹介しますので、ご自身のケースと比べながら読んでみてください。
閉鎖的な職場環境が多い
薬剤師が人間関係に悩みやすい一番の理由は、職場の環境が閉鎖的なことが多いからです。特に薬局やドラッグストアでは医療事務さん、薬剤師の人たちだけで人間関係が完結するところもあるでしょう。調剤は原則としてチームプレイです。一緒に働く人との関係が良くないと、それだけで非常に働きにくくなります。
私はドラッグストアで働いていましたが、店長とサブリーダーから毎日のようにダメ出しや叱責を受けてメンタルを病んでしまいました。他の店舗や店長より上の人たちと関わる機会がないので、SOSを出しにくい環境でした。今は企業で働いていますが、他の部署やリーダーより上の人とも関わる機会があり風通しの良い環境です。
職場にお局さん、変な人がいる
薬局や病院、ドラッグストアでは職場が閉鎖的な分、一人でも問題のある人がいると職場環境は一気に悪化します。新人や気に入らない人をいじめる人や仕事の質が著しく低い人が職場にいると、人間関係がしんどいと感じやすいでしょう。雇う人からすると専門職に抜けられると困るので、性格に多少の難がある薬剤師でも雇い続けている店舗もあるはずです。
私が働いていた店舗でも、ベテランの薬剤師が気に入らないパートさんに強く当たっていたことがありました。会社側もその人の態度は把握していましたが、仕事の成績がいいのでお咎めはなし。私はその人に幸い気に入られていましたが、一度嫌われるとその店舗で働いている限りはしんどい思いをしていたでしょう。
モンスターペイシェントがいる
職場のスタッフと同様、患者さんにモンスターペイシェントがいることも人間関係に悩む原因の一つです。特に地域密着型の店舗では同じ患者さんが何度も来るので、モンスターペイシェントに繰り返し悩まされることもあるでしょう。
私が経験したモンスターペイシェントは男尊女卑がひどく、男性薬剤師の話しか聞こうとしませんでした。女性薬剤師が何をしても聞く耳を持たず「医師と話が済んでるから!」の一点張り。精神的に消耗したのをよく覚えています。そんなことが何度もあれば、人間関係に疲弊してしまうのも無理はないでしょう。
業務が忙しく、スタッフに余裕がない
業務が忙しいとスタッフに余裕がなくなり、職場が険悪な雰囲気になってしまいがちです。
処方せん枚数に対して薬剤師が少ない、大きな病院の門前で難しい処方が多いなど店舗が忙しくなる要因は数えきれません。店舗のマネジメントが忙しさを適切に把握していないことでスタッフに負担がかかり、スタッフがピリピリしている場合もあります。常に緊張感のある現場で働いていれば人間関係を負担に感じるのも当然でしょう。
私が働いていた薬局も、スーパーバイザーから「処方せんに対して薬剤師が多い、コスト削減のために残業するな」と言われていたのですが実際そんなことはありませんでした。面調剤で複雑な処方も来る上に、時短社員の薬剤師が帰ってからの夕方に大量の処方せんが来るのです。残業がつけられないので薬局長はサービス残業をしていました…。
仕事量に対してスタッフが足りていない場合、原因はスタッフではなくマネジメント層にあるかもしれません。
視野が狭くなりがち
ここまでは職場側の原因を挙げてきましたが、働いているうちに自分の視野が狭くなってしまうことも人間関係を苦痛に感じてしまう原因です。
薬剤師として働いていると、家と職場の往復で一日が終わることも珍しくありません。職場の人間関係が辛いとついそればかり考えてしまい、常に「辞めたい」「転職したい」と考えてしまうことも。特にコロナ禍もあり、休日は家にこもりがちな人も多いでしょう。
なぜ「薬剤師は変な人が多い」という意見が出るのか
薬剤師についてSNSで調べると、「薬剤師は変わった人が多い」「薬剤師は世間知らず」という意見を目にすることがあります。一括りにされるのは心外ですが、そう言われるのは医療系の資格特有の理由があります。
私は学生時代に文系職を目指して就活をしていた時期があるのですが、どの仕事も一般常識を求められました。服装からエントリーシートの書き方、面接の受け答えまで要求されるハードルが非常に高く、薬剤師から文系職に進むのは難しいと感じました。
薬剤師は良くも悪くも、資格と最低限のコミュニケーション能力があればすぐに内定がもらえます。薬剤師と文系就活の両方を経験した私は、「薬剤師は世間一般に求められる常識を身につける機会が他の仕事より少ないな」と感じました。もちろんアルバイトや研究室の経験から一般常識を身につけた薬剤師もたくさんいますが、きちんとできている人よりできていない人の方が目立ってしまうんですよね…。
ドラッグストアから企業に転職してからは、非常識な薬剤師に悩まされることはなくなりました。
人間関係がしんどいと思ったときの対策5つ
薬剤師が「職場の人間関係がしんどい」と思ったとき、対策は次の5つです。
- 同期や上司に相談する
- リフレッシュして視野を広げる
- 店舗を異動する
- あまりにも辛いようであれば休職する
- 別の職場に転職する
もちろん転職がベストな選択肢となる場合もありますが、転職は決して万能の選択肢ではありません。転職を繰り返せば次の職場を見つけにくくなります。
同期や上司に相談する
まずは今の職場で相談できる人はいないか考えてみましょう。そもそも上司が職場の人間関係を問題として認識していない場合もあるので、あなたが相談すれば親身になって聞いてくれる場合もあります。職場の人の態度がパワハラに該当するのであれば、本人に厳重注意が向かうでしょう。
大手の企業であれば相談窓口を設けている場合もあるので、職場の人たちに相談しにくいならそちらを利用するのも手です。相談相手に悩んでいる場合はこちらも参考にしてください。
リフレッシュして視野を広げる
職場の人間関係について、仕事をしていない時もくよくよ考えてしまう…という方へ。この場合、転職する前に必要なのはリフレッシュです。
職場以外にもあなたの居場所をつくり、心のお守りを持つと解決するかもしれません。私は時々バーへお酒を飲みに行ったり、旅をしたりして心の換気をしています。職場で嫌な思いをしても、他に居場所があれば気になりませんでした。
いつも仕事の人間関係ばかり考えてしまう人は、転職する前にリフレッシュが足りているか見直してみましょう。
店舗を異動する
職場内で解決するのが難しければ、店舗の異動を願い出る方法もあります。多くの薬局やドラッグストアは系列の店舗を複数経営しているので、希望すれば異動できる可能性はあります。上司や人事担当者に相談してみましょう。
店舗異動のメリットは、転職をしないので職歴が途切れないことです。仕事をする上で会社ごとのルールやマニュアルも異なるので、転職しないで済むならそれに越したことはありません。転職する前に店舗の異動を試してみる価値はあるでしょう。
もちろん中小の薬局で異動できる店舗がない場合や、異動の希望が通らない場合もあります。転職活動と並行しつつ店舗異動の希望を出し、今の会社で解決しなければ転職するという方針でもいいかもしれません。選択肢は多い方が安心です。
私も適応障害で休職してから、一度店舗を異動して復職しています。結果的に転職しましたが、「今の会社でやれることはやった」と心置きなく職場を去ることができました。
あまりにも辛いようであれば休職する
人間関係が辛く、精神的に追い詰められている場合は休職も視野に入れましょう。傷病手当金が受け取れるので、ある程度の収入を確保しながら今後のことをじっくり考えられます。
私も店舗でパワハラを受けた時は適応障害で休職し、休養をとりながら今後のキャリアについて考えました。もちろんキャリアにブランクは生じてしまいますが、メンタルを病んでいると冷静な判断ができなかったでしょう。一度回復する期間を設けておいてよかったと思っています。
別の職場に転職する
店舗内で解決できない場合、別の職場に転職するという方法もあります。他の職場で働けば今の人間関係に関する悩みは解決するでしょう
注意したいのは、転職は魔法ではないということです。転職先で似たような問題に直面する可能性もありますし、人間関係は問題ないものの収入が大幅にダウンしてしまった…というケースも。
転職する場合は「今の職場から離れたい」という勢いだけで決めず、自分の適性や転職先の職場環境を見定めた上で臨みましょう。
人間関係を理由に転職する際の注意点
人間関係を理由に転職すると決めた薬剤師さんに向けて、注意点を3つお伝えします。
- 人間関係のどこが自分と合わなかったのか明確にする
- 転職先の人間関係をチェックする
- 転職理由は前向きに伝える
これらの注意点を抑えて転職すれば、自分に合った転職先を探せます。
なお、転職先を探すときは転職サイトに登録しておきましょう。自分だけで探す方法もありますが、転職先の人間関係など求人に載っていない情報は手に入りにくくなります。
人間関係のどこが自分と合わなかったのか明確にする
まずは職場の人間関係がなぜ自分に合わなかったのか考えましょう。転職する際は合わない条件を避けて求人を探せば、次同じ問題に当たるリスクを下げられます。
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なお、どの店舗でも合わず人間関係に苦しんできた人はそもそも調剤の職場に向いていないのかもしれません。薬剤師の仕事は調剤だけではなく、調剤が合わない薬剤師には企業で働く選択肢もあります。私も実際にドラッグストアを辞め、企業に転職しました。
薬剤師の私が企業に転職した体験談はこちら。
転職先の人間関係をチェックする
転職活動の際は、必ず職場の人間関係をチェックしましょう。転職エージェントに登録しておくと職場の雰囲気まで教えてもらえます。私も実際に何社か使ってみましたが、対応の丁寧さや求人の情報量ではファルマスタッフがベストでした。
もし実際に職場を見学できるのであれば働いているスタッフを観察しましょう。聞けそうな雰囲気であれば、面接で「スタッフにはどんな人が多いですか?」と質問してみてもいいですね。
転職理由は前向きに伝える
たとえ人間関係を理由に転職しているとしても、面接の際は志望動機の伝え方に工夫が必要です。「キャリアアップのため」「より〇〇な環境で働きたいから」など、担当者にポジティブな印象を与えるよう心がけましょう。
「職場の人間関係が悪くて転職しました」と伝えた場合、次の職場でも同じ理由で辞めるのではないかと疑う担当者もいます。なるべく明るく人当たりが良いイメージを相手に与えましょう。
もし受け答えに不満がある場合、転職エージェントに伝えれば模擬面接をしてもらえます。私も練習させてもらい、本番では相手に好印象を与えられました。
まとめ
今回は人間関係を理由に転職を考えている薬剤師に向けて、原因と対策、転職する際の注意点について解説しました。
転職はあくまで一つの手段で、決して万能な選択肢ではありません。自分の適性や転職先をよく観察し、自分に合った職場を見極めましょう。
一人で抱え込まず、時には他の人や転職サービスの力を借りる選択もあります。このブログでも転職に悩む薬剤師に向けて記事を書いていますので、ぜひ他の記事も参考にしてください。