薬剤師だと企業で働くのは難しいのかな?
調剤以外の仕事に挑戦してみたい!
この記事はそんな人のために書きました。
薬剤師の仕事=ドラッグストア、薬局や病院と思われがちですが、薬剤師の力を借りたいという企業はあります。
私は新卒でドラッグストアへ入社しましたが、中途採用でメディカルライターとして企業へ転職しました。薬剤師であっても、調剤の仕事にこだわる必要はありません。
一方薬剤師が企業ではたらくのは難しいといわれています。企業ではたらきたいと思っても、薬剤師職と同じスタンスでは採用されない可能性が高いので注意が必要です。 そこで今回は、企業への転職を考えている人に向けて、仕事内容や「企業は転職が難しい」と言われている理由について解説します。この記事を読めば企業にどんな仕事があるか、内定をもらうためにどんなことをすればいいかわかります。
考え方を変えないと、薬剤師が企業に転職するのは難しい
前提としてまずお伝えしたいのは「薬剤師が企業に就職・転職するのは難しい」ということです。もちろん可能ではありますが誰でもできるわけではなく、選考にあたっては企業に向けた対策が必要になります。薬局やドラッグストアでは書類選考、面接1回で内定をもらえることもありますが、多くの企業ではSPIや選考課題、複数回の面接をパスして初めて内定を得られます。
私は働きながらの転職活動だったので、昼休みに職場を抜け出してSPI対策をしたり夜遅くに選考課題を進めたりしていました。「なんとなく楽そう」という理由で企業への転職を考えている場合はあまりおすすめしません。
薬剤師の企業就職が難しい理由3点
薬剤師が企業へ転職するのが難しいと言われるのにはいくつか理由があります。
- 薬剤師という資格だけでは採用されない
- 調剤の経験が評価されにくい
- 未経験だと年齢の条件が厳しい
上から順に、詳しく説明しましょう。
薬剤師という資格だけでは採用されない
当たり前のことですが、企業が人を雇うには費用がかかります。雇った人が利益を出す見込みがなければ、企業はその人を雇うメリットがありません。
薬剤師職であれば、調剤をしっかり行えば利益を生み出せます。しかし企業に就職した場合、あなたが薬剤師免許を持っていることが直接企業の利益につながるとは限りません。処方せんを応需することで利益を生むわけではないので、今までとは違う仕組みの中で利益を生み出す必要があります。
例えば、私が転職したメディカルライターは薬剤師免許が必須ではありません。しかし薬剤師としての経験や専門知識を使って、薬のパンフレットやMR向け研修スライドなどの資材を作成しています。私の場合は薬剤師の知識を活かして作成した資材が企業にとっての価値になっています。
「企業が自分を雇うことで、どのような利益を期待するか」という意識を持って選考にのぞみましょう。
調剤の経験が評価されにくい
一般的に薬剤師の仕事では、調剤の経験年数や認定薬剤師、在宅やかかりつけの経験が評価されます。転職エージェントと面談していても、3年以上調剤を経験していれば経験者と認識されることが多いようです。調剤を経験すればするだけ、実績としてアピールできます。しかし企業へ転職する場合、調剤の経験自体はあまり評価されません。
もし企業へ転職するのであれば、調剤の経験そのものではなく「調剤を通してどんな学びを得たか」を掘り下げてアピールしましょう。専門的な知識を持たない患者さんにもわかりやすく薬の知識を伝えたり、忙しいときに段取りを考えて仕事をしたりと、調剤でも間接的に仕事のスキルを磨いているはずです。
未経験だと年齢の条件が厳しい
これは薬剤師に限らずいえる話ですが、未経験の仕事に挑戦するためには年齢の制限がかかわってきます。未経験から企業で働くには新卒や第二新卒、遅くとも30代前半くらいまでが現実的なラインになりそうです。
薬剤師のキャリアについて書かれた書籍では、33才をタイムリミットとしています。もしあなたが学生なら企業の選考に挑戦するべきですし、今薬剤師として働いているなら少しでも早いうちに転職活動を始めることをおすすめします。
それでも薬剤師が企業へ転職するのはおすすめ
薬剤師が企業へ転職するのは難しいですが、実際に転職した私からはおすすめです。私は実際に企業へ転職してから、QOLが大きく上がりました。具体的なメリットとしては次のようなものがあります。
- 在宅勤務ができる
- 土日祝休める
- 一般的なビジネススキルが学べる
在宅勤務ができる
調剤という仕事の性質上、薬剤師は在宅で働ける仕事が多くありません。毎日出社して働くだけでもストレスになります。職場が郊外にあり、渋滞を気にしながら車で通勤する人もいるでしょう。私も職場が自転車で30分かかるところにあり、深夜に夜道を自転車で走らなければいけない時期がありました…。
企業に転職すると在宅勤務という選択肢ができます。企業によってルールは異なりますが、私が今働いている会社は週に1回出社すれば、あとはテレワークでOKです。働き始めた頃は直接教えてもらうために出社していましたが、慣れてからはむしろテレワークの方が効率よく働けるようになりました。
土日祝休める
薬局やドラッグストアの多くは土曜日も営業しています。カレンダー通りの休みをとるのは難しい店舗もあるでしょう。平日休みにもいいことはありますが、友達と遊ぶ予定が立てづらかったり、連休が取りづらかったりと不便な点も多いでしょう。
多くの企業は原則として、土日祝日を休日にしています。カレンダー通り休めるので友達や家族とも予定が合わせやすく、長期的に見て働きやすい環境です。私は夫婦で暮らしているのですが、土日休みになってから二人で過ごす時間が増えて生活の満足度も上がりました。
一般的なビジネススキルが学べる
薬剤師が調剤業務以外の一般的なビジネススキルを学ぶ機会は多くありません。新卒研修で簡単にマナー研修を受けることはありますが、短期で実践することなく忘れてしまったという人も多いのではないでしょうか。
例えば私がメディカルライターになってからはパワーポイントの作成方法やロジカルライティング、医薬品の広告ルールについて学ぶことができました。調剤で学べることもたくさんありますが、一方で企業でないと学べないスキルがあるのも事実です。私の場合はメディカルライターの仕事を通して、プレゼンスキルや資料の作り方、ロジカルライティングが鍛えられました。
企業のビジネススキルは他の職種でも応用が効きますし、ビジネススキルの高い薬剤師には希少価値があります。
薬剤師が企業に転職するためのポイント3点
薬剤師が企業へ転職するためには、次のポイントを頭に入れておくといいでしょう。
- 自己分析を行い、自分の強みを確立する
- 適性に沿った企業、業種を見極める
- 薬剤師である以前に一人のビジネスマンとして謙虚に振る舞う
自己分析を行い、自分の強みを確立する
まずは薬剤師免許を含めて、自分にどんな強みがあるか分析しましょう。立派な実績がなくても、今までの経験から何を学んできたのか、自分の特性はどんなことかを人にアピールできればOKです。
私は英語が得意で社会人になってからも勉強していたので、面接の際にアピールする材料として活用しました。普段ライティングは日本語で行いますが、英語の論文をスライドにまとめることもあるので転職してからも英語は活用しています。病院薬剤師であれば、現場で努力した経験がそのまま専門知識の裏付けになります。転職してみると、病院薬剤師を歓迎している求人が複数ありました。
「自分では強みがわからない…」「なにかヒントになるものが欲しい!」という場合はミイダス
適性に沿った企業、業種を見極める
転職を考えているということは、今の仕事が自分と合わないという気持ちがどこかにあるのではないでしょうか?
もちろん無理に合わない仕事を続ける必要はなく、心機一転して新しい仕事を始めようと思うことは前向きでいいことです。しかし、今の仕事が向いていないからと適当に他の仕事を始めても、自分の適性がわからなければまた合わない仕事に就いてしまう可能性はあります。
自分の強みを確立したら、逆に自分が向いていないことや避けたい条件についても予め決めておきましょう。転職サイトを使っていると多数の求人を紹介されることもあります。軸が決まっていないと転職エージェントの意見に流されてしまったり、自分に合わない企業を選んでしまい失敗したりしてしまうリスクも。続けられる企業に絞るためにも譲れない条件を決めておくことが重要です。
薬剤師である以前に一人のビジネスマンとして謙虚に振る舞う
薬剤師は市場価値が高いとされており、薬剤師職であれば簡単な対策だけで内定がもらえるところもあります。
しかし企業に転職するとなれば、あなたは薬剤師である以前に一人のビジネスマンです。「薬剤師だからこれくらいの年収はもらえるはず」「薬剤師だから未経験でも余裕で採用されるはず」という思い込みは態度にもあらわれます。転職活動中はもちろん、企業に転職してからも新しく学ぶ姿勢を持ち続けましょう。
まとめ
薬剤師が企業へ転職するための考え方についてご紹介しました。薬剤師が企業に転職することは難しいですが得るものも多く、将来の選択肢も広がります。
もしあなたが薬剤師で企業へ転職を考えているなら、今から行動することをおすすめします。年齢が上がるほど、未経験の職種へ転職することは難しくなるからです。
このブログでは他にも、薬剤師が企業に転職するためのノウハウを記事にしています!よかったらこちらの記事も参考にしてください。
あなたの転職がうまくいくことを祈ってます!