OTCを薬剤師が勉強する方法【元ドラッグストア薬剤師が語る】

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お客さんにOTCについて聞かれたけど全然わからなかった…。勉強したい!

OTCの勉強って何をしたらいいの?

この記事はそんな人のために書きました。

私は新卒でドラッグストアに入社し、OTC専門薬剤師として働いていました。最初は接客に自信が持てなかったのですが、勉強をがんばってからどんな質問にも自信をもって対応できるようになりました。

今回は私が実践していたOTCの勉強方法について紹介します。

そもそもOTC薬剤師ってどんな仕事?という方はこちら。

目次

薬剤師がOTCを学ぶには?ドラッグストア薬剤師が実践していた方法3つ

薬剤師がOTCを学ぶ方法は、大きく分けて次の3つです。

  • 本で勉強する
  • 人に教えてもらう
  • 動画セミナーや研修を受ける

個人ブログやネットでOTCについて調べるという手もありますが、情報の正確性を考えるとおすすめできません。もしネットで調べるなら、出典を明確にしているものを参考にしましょう。

本で勉強する

OTCについてじっくり勉強したい場合、本を利用するのもおすすめです。勉強したくても教えてくれる人が周りにいない場合は本を活用しましょう。薬剤師向けOTCの本は少ないので、登録販売者向けのテキストがおすすめです。

本で勉強するとしても、国家試験対策のように隅から隅まで覚える必要はありません。実際にお客さんから聞かれたところや興味を持ったところから始めましょう。お客さんに何か聞かれたときにも、手元に一冊調べられる本があると安心です。

おすすめの書籍は次の章で紹介します。

人に教えてもらう

もしあなたがOTCを取り扱う仕事をしており、教えてくれる先輩が職場にいるようであればその人に教えてもらいましょう。経験豊富な先輩の知識を活用しない手はありません。

OTCに限ればベテランの登録販売者が薬剤師より詳しいこともあるでしょう。「薬剤師なのに登録販売者に聞くのは恥ずかしい」と思うかもしれませんが、聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥です。

教えてもらうときはメモを取り、一度聞いた情報は覚えておきます。大手のドラッグストアであれば研修期間があるので、その間に教えてもらえます。

メモを見返してもどこに何が書いてあるかわからなくなる場合、仕事が終わってからノートにまとめておくとよいでしょう。

動画セミナーや研修を受ける

職場でOTCを販売している場合、社内研修として動画セミナーやメーカー主催の勉強会を受けられることがあります。特に大手の企業では研修制度が充実しています。

研修を受講することで職場に意欲を示せますし、研修はメーカーさんに直接質問できる貴重な機会です。職場で自己研鑽できる制度がないか調べてみましょう。

もしあなたが今OTCとは関係ない職場で働いていてOTCを勉強したい場合、実際に豊富なOTCを手に取れるところに転職してしまうのも手です。大手のドラッグストアには研修制度が充実しています。

OTCの勉強におすすめの本5選

OTCを書籍で勉強したい薬剤師のために、おすすめの本を5選紹介します。

  • OTC医薬品の比較と使い分け
  • 現場で使える 新人登録販売者便利帖 成分と特徴で選ぶOTC医薬品
  • 現場で使える 新人登録販売者便利帖 症状から選ぶOTC医薬品
  • 「OTCメディケーション」虎の巻 第3版 製品選択のポイントがわかる
  • ドラッグストアで買えるあなたに合った薬の選び方を頼れる薬剤師が教えます

OTC医薬品の比較と使い分け

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OTC医薬品に関する、数少ない薬剤師向けの本です。ハイレベルなので「OTCをしっかり勉強したい!」と考えている志の高い方にはうってつけでしょう。他のOTC薬剤師と関わる機会もありましたが、この本に書いてあるレベルまで勉強すれば知識のレベルとしてはほぼトップクラスだと思います。

この本のポイントは、同効薬について違いを明確に説明してくれるところです。私は店舗で働いているとき「A薬とB薬(A薬の同効薬)はどう違うの?」と聞かれ、答えられなかった苦い経験があります。国家試験では効果のグループ分けを覚えても、同じグループ内にある薬がどう異なるかまでは出題されませんでしたよね。

薬剤師向けのOTC医薬品に関する本ではこちらが一番おすすめです。

現場で使える 新人登録販売者便利帖 成分と特徴で選ぶOTC医薬品

登録販売者向けの本ですが、これからOTC薬剤師として働く人には最適の本です。これから初めてOTC販売に関わる方、「お客さんに相談されたとき、どの薬をおすすめしたらいいかわからない」と悩んでいる方におすすめします。

私が初めてOTCの現場に立ったとき、何を基準にOTC医薬品を選んだらよいか全くわからず、「薬剤師なのに全然できない…」と悩んだ記憶があります。

大学で薬について学ぶことはあっても、そのほとんどは調剤の現場を想定したもの。とっさにOTCの相談が来ると、薬の知識と接客がうまく結びつかないことがあります。

この本が手元にあると、OTC医薬品を選ぶ際に迷いにくくなります。今まで勉強した内容と重複している内容もあるので、薬剤師であれば一通り読むだけで十分な内容です。

現場で使える 新人登録販売者便利帖 症状から選ぶOTC医薬品

「成分と特徴で選ぶOTC医薬品」と同じシリーズです。こちらは病態に重点を置いた内容です。こちらもOTC初心者向けで、「症状のヒアリングで何を聞いたらいいかわからない」と悩んでいる方におすすめしたい内容です。

本の内容は薬学部の勉強よりも簡単ですが、お客さんに説明する際のレベルなので接客にそのまま応用できます。知識を学ぶというより、「知識を接客にどうつなげるか」を学ぶために役立つ一冊です。

「成分と特徴で選ぶOTC医薬品」とどちらを購入するか迷っている場合は両方購入してしまいましょう。私はどちらも買いましたが、同じシリーズでも切り口が違うので損はしませんでした。

「OTCメディケーション」虎の巻 第3版 製品選択のポイントがわかる

2014年発行とやや古い本ですが、商品のビジュアルが載っているのがポイント。一から全て読み通すのは大変なので、最近質問を受けたところや興味がある分野から辞書を引くように読んでみるといいでしょう。

接客のノウハウというよりはOTCのマニュアルに近い印象でした。情報を網羅している分、ボリュームも大きめです。入門レベルでは物足りない人にはこちらの方がニーズに合っているかもしれません。

OTCについて深く知りたい勉強熱心な人におすすめです。

ドラッグストアで買えるあなたに合った薬の選び方を頼れる薬剤師が教えます

一般の方(非医療従事者)向けですがこちらもおすすめ。調剤でも聞かれそうな内容ばかりなので、普段あまりOTCに触れない方にもおすすめです。イラストも可愛らしく、通勤の電車で少しずつ読み進めるにはちょうどいいボリュームです。

店舗でお客さんによく聞かれる質問とその回答がそのまま載っています。医療用医薬品とOTCとの違いにも触れており、薬剤師になるまで意外に触れてこなかった内容も多いので、「かゆい所に手が届く」本です。

「OTC医薬品の比較と使い分け」と同じく、薬剤師の児島悠史先生が執筆されています。この先生の本はエビデンスに基づいていながらわかりやすい本が多いので重宝しています。

まとめ

今回は薬剤師がOTCを勉強する方法について紹介しました。

OTCに詳しくなれば、今までよりお客さんのニーズに応えられる薬剤師になります。

OTCを勉強したいと思ったら、現場で薬に触れて接客の経験を積むのが一番の近道です。もしあなたがOTC興味があり、今の仕事でOTCに触れられない場合は、ドラッグストアなどOTCを取り扱っている店舗に転職するという手もあります。

OTCの勉強に関するQ&A

「OTCを勉強したい!」という人が気になる質問に答えました。

OTCの勉強におすすめのアプリは?

OTCの知識を確認したいのであれば、登録販売者向けの一問一答アプリがおすすめです。私も登録販売者向けのテキストを研修で読みましたが、意外に知らなかったことや忘れていたことが見つかります。

薬剤師がOTCを勉強するためのアプリも調べたのですが、現時点(2023年11月)では見つかりませんでした。

ノートにまとめた方がいい?

「ノートにまとめないと頭に入らない」という人はそれでいいと思いますが、個人的にはテキストにマーカーを引いたり、研修を受けてメモを取ったりするだけで十分だと思います。

OTCの知識は試験ではなく接客のためのものなので、ノートよりも接客でどんどんアウトプットしましょう。

1日何時間くらい勉強していた?

私がOTC薬剤師として働いていたころは、定時で帰れた日に30分くらい勉強していました。

1日に何時間も勉強しなくてもOK。毎日少しずつ積み重ねることが大事です。次第に自信を持って接客できるようになるでしょう。

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