OTC薬剤師とは?元管理薬剤師が仕事内容と求人を探す方法について解説!

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OTC薬剤師ってどんな仕事なの?

ドラッグストアの求人を見てたら「OTC業務」と書いてあった。具体的に何するの?

この記事はそんな人のために書きました。

薬剤師の仕事=調剤という印象がありますが、OTC販売業務も薬剤師の仕事です。多くの店舗では薬剤師が調剤とOTCの両方に関わっていますが、まれにOTC専門で働いている薬剤師もいます。

私は新卒でドラッグストアに入社後にOTC薬剤師として働き、一時期は店舗の管理薬剤師として働いていました。

今回はOTC薬剤師の仕事内容と求人を探す方法について解説します。

目次

そもそもOTC医薬品とは?処方せんなしで買える薬のこと

OTC医薬品ってそもそもどんなものだったっけ?という方向けに、まずおさらいです。

OTCとは、英語のOver The Counter(カウンター越しの)の略で、カウンター越しにお薬を販売するかたちに由来しています。医師の処方箋がなくても薬局などで購入できる、かつては「市販薬」「家庭薬」「大衆薬」と呼ばれることもあった身近なお薬です。

OTC医薬品とは | 公益社団法人東京都薬剤師会 (toyaku.or.jp)

有名な商品だとパブロンやアリナミン、キャベジンあたりでしょうか。

OTC医薬品の購入には処方せんが不要なので、お客さんは医師の診察を受けずに薬を購入します。

OTC医薬品は薬局やドラッグストアから直接お客さんの手に渡るため、OTC薬剤師はお客さんが適切に薬を使えるか確認しなければいけません。

OTC薬剤師の仕事内容【接客だけじゃない】

OTC薬剤師の仕事として真っ先に思いつくのは第一類医薬品(ロキソニン錠、ガスターなど)の販売やお薬の相談でしょう。第一類医薬品は薬剤師しか販売できません。

OTC薬剤師には他にどんな仕事があるのか紹介します。

店舗にもよりますが、私がOTC薬剤師時代に担当していた仕事にはこんなものがあります。

  • 医薬品の品出し
  • お客さんの相談対応
  • レジ打ち
  • POP作成
  • 棚替え
  • 医薬品販売管理簿の記録、保管
  • 商品の発注
  • レジの清算、売上報告
  • 伝票の管理

(小売業は定期的に棚卸がありますが、私の働いていた店舗では専門のスタッフに外注していました)

OTC薬剤師として働くメリット5つ

OTC薬剤師として働くメリットを紹介します。

  • OTC医薬品の知識が身に付く
  • お客さんにとって一番身近な薬剤師になれる
  • 自分で創意工夫して働ける
  • 店長、スーパーバイザーになれば年収アップを目指せる
  • 努力が数字で評価される

薬剤師であってもいろいろなことができるのがOTC薬剤師の強みです。

OTC医薬品の知識が身に付く

大学でOTC医薬品について学ぶ機会は決して多くありません。OTC薬剤師になれば、実際の薬に触れながらOTC医薬品について学べます。大手のドラッグストアでは研修も充実しているので、初めてOTCに触れる場合も安心でした。

OTC医薬品は医師が処方するものではないので、患者さんが薬を選びます。

「どんな薬がいいですか?」と聞かれたときは、OTC薬剤師の腕の見せ所です。症状や他に使っている薬、価格や使い方など選ぶポイントはたくさんあります。

また、OTC医薬品では対応できない場合や症状が重篤な場合は、その場で薬を売らずに受診勧奨をすることも。

私は調剤で働いていたとき、医師の処方に疑問を持つ機会が少なからずありました。もちろん薬剤師が医師の処方を変える権利はないので、そんなときはモヤモヤしながら患者さんにお薬を渡すことになります。

OTC医薬品は自分で「お客さんに合っている」と思ったものをすすめられるので、自信をもって接客できました。

お客さんにとって一番身近な薬剤師になれる

病気の時だけでなく、日頃からお客さんの身近な薬剤師として働けるのがOTC薬剤師のメリットです。

一般的に、病院や薬局は体調が悪くなければ行きません。一方で健康な人でもドラッグストアなどのOTC店舗は気軽に利用します。

普段は健康な人でも、風邪を引いたりニキビに悩んだりすることもあるでしょう。そんなとき「あの店には薬剤師がいたな」と思い出してもらえば、お客さんがお店に来てくれます。

私も患者さんの生活に近い場所で働くことにやりがいを感じていました。

自分で創意工夫して働ける

調剤ではミスがないこと、患者さんが医師の指示通りに薬を使用できるよう指導することが求められます。調剤においては真面目で几帳面な人、ルーティンワークを忠実にこなせる人が向いています。オリジナリティやアイディアを求められることは決して多くないでしょう。

OTC薬剤師の仕事にはアイディアが求められます。特に創意工夫が求められていると感じたのは棚替えです。

棚替えとはシーズンによって商品の配置を変える作業で、基本的にマニュアルに沿って行います。

私は自分の店舗に合わせてアレンジを加えていました。客層やお客さんの視線に合わせて商品の配置を調整し、医薬品がより売れるように工夫します。

自分のアイディアを仕事に活かせるのはOTC薬剤師の醍醐味です。

店長、スーパーバイザーになれば年収アップを目指せる

一般的に、調剤で年収を上げるのは難しいと言われています。

患者さん一人から得られる利益が限られていること、処方せん枚数につき薬剤師の人数が決まっていることから、優れた薬剤師でも生み出せる利益に限りがあるからです。

ドラッグストアでは、薬剤師でも店長やスーパーバイザーになる道があります。私が働いていたドラッグストアでは、店長になると年収700万円、スーパーバイザーになると年収1,000万円を目指せると言われていました。

仕事をがんばって高収入をバリバリ稼ぎたい!という人はOTC薬剤師からの出世を狙ってみてもいいでしょう。

努力が数字で評価される

実習や研修を経て思ったのは、調剤は減点方式の評価を受けやすいということ。というのも調剤ミスの回数や残業時間、ジェネリック率を評価されることが多いからです。

患者さんの数や調剤した薬が多いからといって昇進したりボーナスが出ることはありません。

OTC薬剤師の評価は医薬品の売上や利益率、ポイントカードやアプリの登録数で決まります。押し売りはもちろん禁物ですが、がんばって声掛けをして医薬品を売ったり、アプリ会員をすすめたりした努力が数字で表れます。

努力家の人や数字で評価されることが好きな人は、OTC薬剤師に向いているかもしれません。

OTC薬剤師として働くデメリット3つ

OTC薬剤師はやりがいのある仕事ですが、一方でデメリットもあります。

  • 調剤のスキルは見に付かない
  • シフトが不規則
  • 力仕事がある

一番のポイントは、薬剤師としての専門性が見に付かないこと。

今後のキャリアによっては致命的なので、OTC薬剤師に興味がある方は注意しましょう。

調剤のスキルは見に付かない

OTC専門薬剤師の場合、調剤に関わりません。当然調剤のスキルは身に付かないので、調剤に転職する場合経験がブランクとして扱われてしまいます。

「OTC薬剤師には興味があるけど調剤にブランクができるのはちょっと…」という場合は、調剤/OTC併設の店舗で働くといいでしょう。

多くのドラッグストアは調剤/OTC併設です。処方せん医薬品の服薬指導中に、OTCの購入を相談される患者さんもいます。薬局もOTCを扱っていることはありますが、販売しているはほとんど処方せん医薬品です。

私もドラッグストアに就職したとき併設店で働いていた時期がありますが、そこでは調剤:OTCの割合はだいたい4:1くらい。需要の関係で、ドラッグストアでも多くの店舗では調剤の割合が多めです。

シフトが不規則

ドラッグストア含め、多くのOTC販売店は朝早くから夜遅くまで営業しています。土日祝日も関係ありません。

社員として働く場合、シフトも朝早くや夜遅くになりがちです。都心の店舗で働いていたときは、遅番の退勤が23時。早い店舗でも21時くらいでした。OTC薬剤師を募集している求人を見ても、土日や夕方~夜の募集が多めの印象です。

土日祝日は休みたいという人、日中に働きたいという人にとってOTC薬剤師は合わないかもしれません。時間帯を選びたいなら調剤にするか、正社員ではなくパートで探してみるしかないかなと思います。

私はドラッグストアから企業に転職したので、最近は平日の日中に働いています。転職自体は難しいですが、ライフスタイル重視なら企業を検討してもいいかもしれません。

力仕事がある

「OTC薬剤師といっても接客中心で、力仕事は少ないだろう」と思う方もいるでしょう。

私もそう思っていたのですが、店舗によっては薬剤師も関係なく力仕事をします。特に郊外の店舗は日用品や食品がどんどん売れるので、手が足りない場合は薬剤師も軽作業にまわります。

もちろん業務の中心は医薬品業務ですし、都心の店舗では力仕事がそこまで多くありません。女性でもOTC薬剤師はできます。

しかし生活が不規則なこともあって、OTC薬剤師に体力は必須です。私は新卒でドラッグストアに入社し、体力をつけるためにジムへ通いはじめました…笑。

OTC薬剤師の求人を探すにはマイナビ薬剤師を利用するのがおすすめ

OTC薬剤師は主に次のようなところで募集しています。

  • ドラッグストア
  • 薬局
  • ホームセンター
  • 大手家電量販店
  • スーパー

OTC薬剤師の経験者ならどこでもいいと思いますが、未経験からOTC薬剤師になりたいならドラッグストアがおすすめです。大手のドラッグストアは研修が充実しており、店舗数も多いです。薬局よりOTCに触れる機会も多いでしょう。

OTC薬剤師の求人を探すには転職サイトを利用しましょう。自力で探すには求人数が少なくて大変なのと、登録販売者の求人に紛れて目当ての求人を探しにくいと感じました。

OTC薬剤師の求人を探すのであればマイナビ薬剤師がおすすめ。扱っている求人数がダントツで多い上、調剤併設とOTC専門の求人を分けて検索できるので便利です。

引用:薬剤師の転職・求人・募集はマイナビ薬剤師 (mynavi.jp)

検索画面を見ると以下の項目があるので、目的に合わせてチェックすれば見たい求人が簡単に見られます。OTCのみの求人も調剤併設も探せるので、ニーズに合った求人が見つけられます。

OTC薬剤師の求人を探す方法について、詳しくはこちら。

OTC薬剤師は大変だけど楽しい。興味があるなら転職の検討を

私は調剤の仕事に向いていないと感じ、OTC薬剤師になりました。

体力勝負なところもありますが、調剤にはないやりがいもあり楽しかったと感じています。

もしあなたが「OTC薬剤師に興味がある」「調剤以外の仕事もやってみたい」と感じているなら、ぜひ挑戦してみてください。

また、このブログでは薬剤師の転職・副業について紹介しています。興味があればぜひ他の記事も参考にしてください!

また、OTCを勉強したいという方はこちら。

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